bridalmemory~私たちの物語

ブライダルMCが作る物語風プロフィール紹介

大木とすずらん~結婚式司会者が作るお二人だけのプロフィール紹介

        


私たちは、同じ姿かたちをしていますが、太陽のように明るい人もいれば、そっと見守る月のような存在の人もいますね。人にはそれぞれの佇まいというものがあります。そこで今から、皆様にある景色を想像して頂きたいと思います。

緑のある場所を想像してください。旅先で出会った雄大な草原や、幼い頃子供を連れて行った、もしくはパパやママに連れて行ってもらった近所の公園でも良いです。

そこに、一樹ゆっさと葉を広げつつある若い幹があります。樹齢24年。これからもその場所で大木として生きる覚悟はとうに決まっており、彼はゆっくりと辺りを見回すことが好きです。彼の作るこもれびの下に、可憐に咲くすずらんの花を見つけました。実はこの花、彼よりも前からここで花をつけています。この春はもう30年目。お隣に生えた若い幹よりは長くこの場所を知っていますが、彼女はすずらん。何年たっても咲き誇る姿は可憐なままで、若い幹はこの花を守りたいと思いました。

 

新郎 夏原 一輝さん(仮名)と新婦 中野 希さん(仮名)をご紹介するにあたり、ただご年齢を添えるだけでは何かが違う…お二人の関係を表現したいと思いました。それが今皆様に思い描いて頂いた光景です。何年過ごしたかではなく、どんな佇まいで過ごしているか、人と人が惹かれあう時に大事なことはそれなのだとお二人は教えてくれます。

 

夏原家は、一輝さんのひとつ下に妹さんがいらっしゃる4人家族、プラス愛犬と一緒に暮らしています。とはいえ、お父様は単身赴任で家を留守にする期間が長く、その分お母様が切り盛りしてくれました。しっかり者の妹さんも含め、夏原家は女性がリードします。一輝さんとお父様は、ヒエラルキー構造としては犬と同等、又はそれ以下…とは新郎の認識ですが、我が家はこれでうまく回っているのだ!と自信を持って言えるのだそうです。中学時代に始めたバレーボールは社会人になった今も続けており、3年前に新婦と出会うまでは仕事の後にも練習をするバレー一色の生活でした。一輝さんにとってこのスポーツの一番の魅力は、相手との心理戦が繰り広げられる「ブロック」です。日ごろから落ち着きが持ち味の青年ですので、ゲームを俯瞰し相手の作戦を読みブロックが成功した瞬間は最高です。又、新婦曰く、一輝さんは人付き合いがしっかりとできる大人な人です。団体競技に培われた社交性なのでしょうか?新婦はその点にも絶大なる信頼を置いています。

 

中野家は、希さんと1つ下の弟さんとの4人家族です。ディズニーシーや温泉など、おばあ様達も含めて7人ほどでわいわいと行く旅行が楽しかった幼い頃。その頃の新婦は、例えば小学校では休み時間になると男子に混ざってドッジボールをするような活発な少女だったそうです。中学以降、おしとやかな女性へと変化していったのですね。高校卒業を機に山梨県のご実家を離れ、保育士の道を進みました。主に0歳から2歳児を担当しており、子供の気持ちに寄り添い、全力で一緒に遊ぶ希さんは、子供心を忘れていない女性なのです。年齢以上の落ち着きを持つ新郎にとって、新婦の純真さは自分には無い一面のように思えて魅力的です。

 

希さんはこう言います。

「初めて会った時から、彼は私の表情の奥にある心の中を読み取ってくれる人でした。そして話しやすい雰囲気を作ってもらいました。」と。

一輝さんは初日にして、彼女が自分に合う人だと確信したと言います。

ディズニーやお酒を一緒に楽しめるお二人は、自然とお付き合いが始まりました。そして新郎は、最初から結婚を意識してこの3年を歩んできました。当初昨年の5月に結婚式を予定したのは、彼女が30歳を迎える前だったからです。コロナによる延期で、新郎の配慮は叶いませんでしたが、気にすることなかれ!何年たっても可憐な花は可憐なのですから。お二人のこの関係性を皆様に見守って頂きながら、今日より二人、あらたなステージに踏み出します。その未来に幸多かれと願い、新郎新婦のご紹介とさせていただきます。